小栗上野介について書かれた本は、伝記・小説・研究書・地域の会誌と幅があります。どれから読めばよいかと、自分で一次資料に当たるにはどうするかを分けてまとめました。刊行年や版元は変わることがありますので、購入・貸出の際は最新の情報でご確認ください。
まず一冊なら
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安藤優一郎『幕臣・小栗忠順の真実』
PHP研究所/2026年。著者は歴史家。三河以来の家柄、遣米使節、幕政改革、そして「逆賊」として斬られるまでを、記録に当たって書いた評伝です。文庫で手に入りやすく、いちばん新しいので、これから読む方の一冊目に向きます。大隈重信・福澤諭吉らによる後年の評価まで扱っています。
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評伝・研究 ― いま新刊で買える本
刊行の新しい順に並べています。
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北川邦夫『小栗上野介忠順の家臣 ― 評伝 武笠祐左衛門と子の銀介』
さきたま出版会/2026年7月。家臣の側から書かれた評伝。主君の首を守った武笠銀介と、その父・祐左衛門を追っています。小栗個人ではなく、仕えた人々に光を当てた数少ない一冊です。
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真殿知彦『小栗上野介の決断 ― 日本の近代国家をデザインした信念の幕臣』
三和書籍/2026年7月。著者は前・海上自衛隊横須賀地方総監。横須賀を預かった立場から、小栗の決断を読み解いています。造船所を「いま使っている側」から見た視点は、ほかの本にはありません。
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小説で読む
史実そのものではありません。事実関係を確かめたいときは、上の「評伝・研究」へ。
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吉岡道夫『ジパングの艦 ― 小栗上野介 国家百年の計』上・下
光人社NF文庫/2026年3〜4月。伝記小説。船と海軍の側から小栗の構想を追った長編です。
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童門冬二『小説 小栗上野介 ― 日本の近代化を仕掛けた男』上・下
集英社文庫/2025年8月。伝記小説。近代化を「仕掛けた」側から描いた長編で、上下巻。文庫で手に入ります。
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佐藤雅美『覚悟の人 小栗上野介忠順伝』
岩波書店/2007年。のち角川文庫。伝記小説ですが、通貨交渉や幕府財政の描写が緻密で、経済官僚としての小栗の輪郭がつかめます。文庫で手に入りやすい一冊です。
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国会図書館で読む
新刊でも古書でも手に入りませんが、国立国会図書館で読めます。うち石原・福地・尾佐竹の三冊は保護期間が満了していて、デジタルコレクションで登録もログインもなしに、自宅から全文が読めます。残る二冊は来館しての閲覧になります。
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小山訂『小栗卍教伝』
昭和五十年に小山訂が書き残した記録。東善寺十五世住職・小栗卍教を、小栗上野介忠順と側室ウタの子と伝えます。全文の公開はなく、国立国会図書館で閲覧できます。→ 小栗卍教について
書誌を見る国立国会図書館サーチ/請求記号 Y93-R10737
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石原戒造 編『幕末の英傑小栗上野介を偲ぶ ― 横須賀海軍工廠創設の由来』
マネジメント社/昭和九年(1934)。小栗一人を扱った、戦前の小冊子です。横須賀製鉄所の設立原案と約定書、建設の経過、小栗の家柄と官歴、そして最期。「小栗の片影」の節は、徳富猪一郎・山縣保二郎・福地源一郎・栗本鋤雲・蜷川新・村松梢風の文章から小栗を論じた箇所を集めたもので、戦前にどう読まれていたかが一冊で見渡せます。附録に「普門院と上野介」。本サイトの横須賀の記事が工事の日付の典拠にしている海軍大佐・石原戒造の記録は、この著者のものです。→ 横須賀製鉄所 普門院
全文を読む国立国会図書館デジタルコレクション/全39コマ
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福地桜痴(源一郎)『幕末政治家』
民友社/明治三十三年(1900)。阿部伊勢守、堀田備中守、井伊直弼、水戸斉昭と、幕末の幕閣を一人ずつ論じていき、最後の章が「小栗上野介」(263頁)です。著者は「余は親く小栗に隷属したる」と書く、小栗の下で働いた人で、小栗の財政運営を論じるときの定番の典拠になっています。→ 歩兵奉行としての陸軍改革 日本初の兌換紙幣
全文を読む国立国会図書館デジタルコレクション
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尾佐竹猛『国際法より観たる幕末外交物語』
文化生活研究会/大正十五年(1926)。法制史家が、幕末の外交を国際法の側から読み直した本です。附録の二「小栗上野介の遺物」(438頁)に、フランスとの借款にかかわる文書の訳文が載り、口絵にその仏文書翰の写真が入っています。生麦事件の真相、幕末の海外使節の話も附録にあります。→ 幻の600万ドル借款 生麦事件の余波
全文を読む国立国会図書館デジタルコレクション
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『同方会報告』同方会
旧幕臣の団体が明治期に出した会報。「土蔵付き売据」の言葉をはじめ、小栗を直接知る人々の証言が載っています。『帝国図書館雑誌新聞目録』は所蔵を一号(明治二十九年六月)から十五号(明治三十三年六月)、以下『同方会誌』と改題と記します。デジタル化された全文の公開はなく、国立国会図書館で閲覧できます。→ 「土蔵付き売据」の出どころ
図書館・古書で探す
新刊では手に入りませんが、図書館で読めます。本サイトの記述は、これらの本にも多くを負っています。
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坂本藤良『小栗上野介の生涯』
講談社/1987年。経営史の視点から小栗を読んだ先駆的な一冊。同じ著者に『幕末維新の経済人』(中公新書)があります。
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大坪元治『小栗上野介忠順家系及略年譜』
小栗公顕彰会/1957年。小栗家の系譜と略年譜をまとめた資料。本サイトの年譜・家系図の記述の一部は、この本の情報を参照しています。
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阿部道山『海軍の先駆者小栗上野介正伝』
海軍有終会/1941年。海軍の視点から小栗の事績を追った、古い時期の伝記です。皇国史観・海軍賛美の強い時代色を帯びており、他者の評価などは割り引いて読む必要がありますが、事実関係の記述には他書にない情報も含まれます。国立国会図書館デジタルコレクションに収録されていますが、インターネット公開ではありません。閲覧には利用者登録(個人向けデジタル化資料送信サービス)か、図書館送信参加館での利用が必要です。
一次資料を自分で読む
ここまでは「読むための本」です。自分で原典に当たりたいという方のために、一次資料の一覧と、デジタルアーカイブの使い方を別のページにまとめました。いまは自宅からかなりのところまで調べられます。
※ 「Amazonで見る」のリンクにはアフィリエイトのトラッキングIDが含まれます。ここに挙げた本は編者が選んだものです。まずはお近くの図書館を当たってみてください。絶版・品切れの本も、多くは図書館で読めます。